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現代性風俗事情-4つのテーマ-

2006年5月1日の風営法改正により、店舗型風俗店の多くが姿を消しました。従来のF・マッサージとイメージクラブがホテヘルスタイルに統合されたことで、店の個性を出すことが難しい時代になりました。また客からしてみれば、ホテル代の追加で風俗遊びが割高になった悩みがあります。

不景気を背景に素人女性の参入が顕著になった90年代。その傾向は定着し、デリヘルの乱立ともあいまって、出会い系と風俗遊びがボーダレス化しています。風俗店はいわば確実に出会える出会い斡旋所として、単なる仲介業としての色合いを濃くしています。店の個性が薄まれば、競争の激化は必至です。

素人女性の大量参入は、以前はサービス低下という問題を生んでいました。しかし最近はそれをプラスに転じさせるべく、低サービス・低料金の需要をつかまえる方向での風俗のあり方が模索されています。最初からソフトサービスを売りにした「ハンドヘルス」「オナクラ」といった風俗が再評価されている事態がそれです。

かつての風俗店も、お手軽な手こきコースを設けたことがありますが、一般的に不評でした。しかし完全な素人がそれをやる(それしかできないからやむを得ずそれだけやる)ことで、新風俗として再生したのです。プロがやれば手抜きにすぎないことが、素人参入によって売りに転化した好例でしょう。

そうした中、風俗店の売りとして台頭したのが「人妻」「メイド」「でぶ専」「エステ」というテーマです。この中で「エステ」は風俗店と非風俗店があり、また中韓エステと日本人エステはサービスの実態において別物と見なければなりません。これについてはアジアンエステ事情で述べることにします。

「メイド」については、秋葉原からホンモノのメイドをスカウトしたという店もあり、その場合は「女教師専科」などと同じく、背徳性を売りにしたコンセプトです。しかしいまやメイドのコスチュームはどの店も取り入れていますし、逆にメイド専門店は他のコスチュームを取り入れないと経営が難しくなっています。

背徳性というのは、風俗の永遠のテーマです。90年代のイメクラ戦争は、様々なシチュエーションにおける背徳行為を反実仮想する客のニーズを追求するものでした。しかし援助交際のブームは風俗店における反実仮想を無化し、現実の背徳行為の方がリーズナブルであるという価値の逆転現象をもたらしました。

背徳テーマ自体は、イメクラ戦争と援交ブームで荒らされ尽くしました。その中でなお「人妻」と「でぶ専」が台頭したのは、店側の事情として確保しやすい人員が人妻とでぶだったことがあります。両者ともにどこにでもいるからですが、これがミソです。どこにでもいるというのが、実は究極の素人性だったのです。

昔から人妻の風俗嬢はいたわけですが、その素性は隠すのが通例でした。しかし風俗に素人性と背徳性が求められるとき、イメクラという反実仮想ではなく、女子校生を使うリスクも避けるとすれば、残るのは人妻しかないわけです。これは合法的に生身で使えつつ、背徳テーマにもかなっているわけです。

でぶ専の場合も素人性と結びついてのヒットと言えます。でぶであるということが、実は女としてリアルだからです。昔のでぶ専は本当に異常なでぶしかおらず、マニアの専科でした。しかしいまはややぽっちゃりぐらいの女性も多く在籍しており、かつ値段がリーズナブルになっていることもヒットの要因でしょう。

男はもともと痩せた女性を好まないのが平均的嗜好です。それは癒しと関係があります。ダイエットに執念を燃やすような女性が多いことが男性のストレスになっているのに、それに気づかない女性が多いという背景もあるでしょう。人妻のヒットにしても、遊び慣れた客ほど若い女性を物足りなく思うことと関係があります。

素人性、背徳性、そして癒し。これらのキーワードは、必然的に「人妻」「メイド」「でぶ専」「エステ」という4つのテーマと結びついています。なかでもエステは、エステシャンが風俗嬢ではない建前ゆえに素人性が確保され、なのに性的行為に至れるという背徳性があります。今後の動向に注目です。

(2007.1.2記)


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